教務主任 高梨健治 様

私は、2020年の4月期生としてこの「日本語教師のためのインストラクショナルデザイン」を受講しました。IDは、向後千春氏の『上手な教え方の教科書』を読んで興味を持っていたため、時間の取れる時機を待って申し込みました。

受講中は、Slackでの連絡や質疑応答、オリエンテーションの設定、反転動画や確認テスト、スライドの共有など、遠隔で受講しやすい環境がシステマチックに準備されていたため、受講前に、オンライン講座に抱いていた、表面的な学習で終わるのではないかという不安も、早い段階で杞憂に過ぎないことがわかりました。

受講後、IDを自分の授業に採り入れてみて、メリットが大きいと感じたのは、ガニェの9Eventsに基づいて授業を計画することによる「授業準備の楽さ」でした。また、学生側にとっても「今から学ぶターゲットの理解が明確であること」のメリットを感じました。

そこで、勤務校の先生にもぜひIDを知ってもらおうと、夏休みにID勉強会を企画し、あひる先生にご協力を依頼しました。打ち合わせも行って事前に疑問点を解決したことで、なんとか実施することができました。

先生方からは「初めて聞く英語の用語が多くて理解が大変」などの声もありましたが、「今までなんとなく活動や練習を決めていたが、目標をきちんと定めて行うようにしたい」などの声も出て、実際に成果があるかはこれからですが、何らかの気づきが得られた勉強会とすることができました。

今後も、個々人の力量や、経験、勘、度胸に頼るのではなく、理論に裏打ちされた授業を実践していくことで、教育の質を高めていきたいと思います。

そのためにも、1回で終わりにせず、今後はIDを、継続的に研修カリキュラムとして採用していきたいと考えています。

アセアン日本語学校 (法務省告示校)